幹細胞治療と幹細胞培養上清液治療の違い
2023/02/10
こんにちは。
R CLINIC 松濤です。
前回のブログより少しお時間が経ってしまいました。
本日は最近話題の『幹細胞』と『幹細胞培養上清液(上清液)』の違いについて簡単にご説明していきます。
最近では、”エクソソーム点滴”や”ベビーサイトカイン”などテレビやメディアでも話題になっていますね。
まず『幹細胞』とは、大きく分けて2種類あります。
1つは、多能性幹細胞といい、
・体のどのような細胞でも作ることができる細胞
・さまざまな組織幹細胞も作ることができる細胞(ES細胞、iPS細胞)
もう一つは、組織幹細胞といい、
・皮膚や血液などの決められた組織や臓器において消失した細胞を補う細胞を作り続ける細胞
・再生できる限定的な細胞(神経系の細胞・血液系の細胞・脂肪系の細胞)
があります。
幹細胞治療とは幹細胞を物理的に採取して、培養士が培養室で幹細胞を増殖させて必要部位(全身あるいは局所)に戻すという治療です。
しかし、これらの治療はいくつかの問題点があります。
①自分のものしか投与ができない。
幹細胞は遺伝子を含むため、自己の幹細胞しか投与できません。
現在の日本では限られた施設でしか行うことができず(病院またはクリニック内の培養室で)、培養士が時間をかけて細胞の管理と分化させるための工程を行います。
また日本ではその増殖させた幹細胞を戻すことは遺伝子を含む移植にあたるため、ご自身のものしか使用することはできません。
②時間と費用を要する。
採取した検体より幹細胞を取り出しそれを増殖するには、培養士による作業が必要です。
また通常幹細胞は投与するまでに、施設によりますが、数百万個〜1億個まで細胞を増殖させます。
そのため自己の細胞を採取し、それを培養するのには数週間から1ヶ月程度かかります。
③年齢的に自己の幹細胞がいいのか
幹細胞治療では、はたして自己の幹細胞が優秀であるのか、またその幹細胞を増殖させて健康課題に対して改善することができるのかという議題がよくあがります。
現在日本においては、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、認知症、パーキンソン病、変形性関節炎、リウマチ、また血管系疾患や神経系疾患において効果が期待できるとされています。
その他にも美容医療として肌へのエイジング効果への期待もされています。
現在では若いうちに自身の細胞を採取して、培養して保管しておく技術もありますが、
再生医療はまだ新しい分野であるため、少し老化が気になり始めた今から始めたいと思うかもしれません。
今はいろいろな考え方がありますが、
・今から(老化が気になり始めた段階から)始めるには、幹細胞も少し衰えているのではないか
・幹細胞は老化はあまり関係ない、むしろ今でもある幹細胞エリート幹細胞である
といった考えがあります。
現時点では、どちらがいいのかはっきり定義はありませんが、どちらにせよ効果を感じる方も多くいることは確かです。
対して、幹細胞培養上清潔液(上清液)治療は
上記の幹細胞を培養する際に使用した上澄み液(培地)のことです。
この上澄み液の中にはさまざまな成長因子と呼ばれるエクソソームやケモカイン、サイトカインなど分泌されます。
また上清液はどの幹細胞より採取されたかで、その中に含まれている成長因子の種類の量も変わります。
神経系の修復に優れたもの、肌の修復に優れたもの、細胞の修復能力に優れ健康増進効果の期待できるもの、
まだはっきりとした効果を謳うことはできませんが、今後さまざまなデータの収集が期待できる分野です。
そして、幹細胞治療と比較して、以下のような利点もあります。
①安定した供給ができる。
遺伝子が含まれていないため他家の製剤を使用ことができます。そのため、しっかりした培養施設ではこの上清液を安全な管理下で保存し、また幹細胞よりも安定した供給が可能です。
そして使用した幹細胞も歯髄由来(乳歯)や臍帯由来(臍の緒を流れるフレッシュな血液)、脂肪由来(主に日本人の若い女性より採取)、骨髄など、用途に使い分けることができます。
②幹細胞治療に比べ、時間がかからず安価である。
先ほど述べたように、幹細胞治療を検体の採取からその細胞を培養するまでに時間と費用がかかります。
しかし、上清液治療ではすでに培養された上清液を使用していくため患者様の同意があればすぐに受けることができ、また費用も抑えることが可能です。
しかしながら、上清液治療ではサイトカインやエクソソーム、ケモカインなどの量がどの程度含まれているのか、その成分量が安定しているのかなど製造している施設により異なることがあります。
そのため、値段が安いから等の広告などに惑わされずに、しっかりとした説明を受け、ご納得をされて施術を受けることをお勧めしております。
皆様の健康寿命を含め、元気な身体を作るお手伝いを提供できるよう、今後も努めてまいります。
今日は雨ですので、どうぞ足元も気をつけて、暖かくしてお過ごしください。
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